WORLD OF DECEIT

ときめきと幻滅を綴った悲しき妄想
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妄想男
age:20
趣味:妄想
特技:妄想
職業:妄想


CAUTION  JOURNEY IN VIETNAM

僕が一人きりで初めて旅に出た時の話をしようと・・・
                      ・・・っぷりつかること のないよう警告しているのである。

JOURNEY IN VIETNAM5

3日目の朝。僕はベトナムを南北に流れるメコン川下りをした。メコン川、何と汚い色。ドブ色。 川に沿って立ち並ぶ家々も、東上線沿線の昭和初期より遺棄されたあばら家よりは断然マシな ものの、衛生観念の面で不安にさせられる。乗り込んだ船は、20年前に隅田川を行き来していた が、故障と風化がもとで遠くベトナムへタンカーで運ばれ、そこで

ダブダブ

通常に運行しているという “ヘドちゃん号”という名前の船だった。 西洋の船の名前に女性の名が付けられるように、 ベトナムでは、多産を祝って生まれてきた子供の名前を付けるのだそうだ。ヘドちゃんは いまや39歳の快活な青年だが、今回の船旅時に折りしも悪性のインフルエンザにかかって 寝込んでしまっていて(前々日野鳥と一緒に野原でねっころがっていたことが原因らしい)、 そのために彼の兄であるトグちゃん(50歳)が、船長となって船を動かした。

メコンで酔う

河は、海と違い、穏やかでそれほど波も立たない。というのも、河は高いところから低い ところへ流れるという重力の力が強いため、小さな波はその力にかき消されるからである。 一方、海はドコからドコへ流れるとも決まっていず、広く占める海の範囲内で、潮の満ち 干気や大気の流れに翻弄され、小さな波が重なると大きな波に相乗されるため、そこに

強い 力が発生するのである。だから、大きな湖(琵琶湖くらいの)は案外海の波に似ているのだろう。 しかし、メコン川はそんな穏やかな川の中でも、高低差が低いせいか、僕の心を砕くくらい の波はあった。つまり、少々僕は船酔いしてしまったのである。船酔いした時、あんなに 汚い河ではあるが、河に吐くのはご法度とされている。なぜなら、ゲロの成分は胃液に 含まれる強い酸であり、吐いた地点の周辺50cm範囲のプランクトン及び小魚が苦しみもがき、 拷問のうちにもだえ死んでしまうからである。それは極めて残酷な動物虐待に他ならない。 げろを吐き捨てるなら、まだ卵を5つ割って河に溶かし込んだほうがプランクトンの滋養 ともなろうか・・・。というわけで、僕は川沿いにある家のトイレを借りた。川沿いの家の 看板には、こう書いてある。
「船酔い、喜んで5円」あるいは「トイレ貸せません」
トイレの清潔さを重視する人が、船酔い人が使うことを拒絶することも勿論出来るが、 9割がたは5円と引き換えにトイレを貸すことを承諾している。このトイレ収入だけで 一年で12万円稼いだことのある家もあるというのだから、驚きである。

おお。ようやく、川下にたどり着いたようだ。見えてきたのは、海面に根を下ろし、 海水を吸って生長するマングローブの木々。マングローブというのは、熱帯や亜熱帯地域 の河口などで、満潮になると海水が満ちてくるところに生えている植物のことで、世界中 では100種類以上の植物がマングローブと呼ばれているそうだ。 マングローブの森には、 いろ

マングローブ

いろなカニ、魚、貝、 エビ、などがすみつき、また、それらを餌とする水鳥たちも集まり、 休む場所にもなっている。マングローブはいろいろな動物たちにとって大切な場所に なっている。しかし、世界のマングローブ林は切られたり、エビの養殖池になったりと だんだん減ってきて、このような動物たちの住む場所がなくなってきているそうだ。 今後もこのマングローブの林をベトナム人には守っていって欲しい。しかし、水がエラク 濁っているな・・・。

僕

次の写真はボートに乗っていたベトナム人。ならず、僕である。二日間で、もはやベトナム 人とは見分けがつかなくなっている。ナイキのシャツとか、高価そうな時計とかは、見ない で欲しい。(見えないだろうが)

河下りした時の地図は右の通りである。僕は三角州の下側を通って、マングローブを 見てきたわけだが(川に沿って赤くボツボツあるのがマングローブ林)、中州は結構広く、 名所もたくさんある。そのうちの一つが、キティランド支部(ベトナム)で、そこには ベトナム製のキティパパマネキンが数十体、日本人観光客(主にロリ気味の女ども)を 出迎えている。

メコン川流域

他にベトミンシーというレジャー施設では、マングローブマウンテンなど の大型のジェットコースター(マングローブの木で組み立てられている)があるし、 華僑の森では、大キョンシー(500円・2m)、中キョンシー(300円・30cm)、小キョンシー (200円・10cm)が冥土の土産に売っている。また、アオザイバーでは、美しいアオザイに 身をつつみ、あの特徴ある三角編み笠を目深に被った、うら若き乙女達(ノーパン)が、 贅を尽くして僕らを迎えてくれる。

ユリアを愛した一人の男

中州の中央には、シンの出生地を記念する碑が立って おり、彼が1978年生まれで2003年に死亡したこと(殺害された)、他、彼の男としての全盛 時代における身長:183cm、体重:98kg、バスト:130cm、ウエスト:92cm、ヒップ:1 05cm、首まわり:43cm...などがわかる。シンといえば、知らない者もいないだろ

うが、“キング”と称して、スペード・クラブ・ダイヤ・ハートを部下につけ、関東地区を 一時支配し残虐非道を繰り返した挙句、メシアなる北斗の男に倒された男である。 その独裁の崩壊後一時期、ベトナム市内で彼の名前を出すことさえ禁じられ、彼の像は 一斉に壊されたものだったが、北斗の男ケンの妻でありシンの憧れであった慈母星のユリア (マリアの生まれ変わりでイタリア人、正確な発音はイウリア)という女が、夫に頼んで 彼を記憶に残すという意味で、この記念碑を建てたのだという逸話がある。その時に、イウリアは でしゃばって、自分の幼き頃の像をシンの脇に寄り添うようにと、彫刻家に依頼したの

だから、 イウリアは、恋多き女性だったことが窺える。そのイウリア という女性は、ケンと結婚した後、元世紀末覇者のラオウという男と内通し子供を生んだが 、その後ケンにばれて、ケンの信仰する神に彼が呪をかけたために、イウリアは病をたまわり 死んでしまう。しかし、あ・・・新記録の男が、彼女がネルガルの神に会うのをかろうじて阻止し、 種もみ

南斗の慈母星

の爺さんの持ってきた種もみを食べたおかげで生き返ることが出来た。そして生き 返ったイウリアの肖像画が右上の絵である。彼女は、その後ケンと仲直りして、ケンととも にサウザーの支配下である四国に旅立ったが、そこでシュウのゲリラ戦に巻き込まれ、リョウ の父がサウザーの小隊から奪ってきた毒入りの食料を食べて、またもやオシリスのところへ 行ってしまう。

ベトナム風本田君 アスラン

しかし、そこでもお門違いだとホルス神に罵られ、遊戯君の友達の本田君の 背中に跨って、ヒンズー教の廟でしばらく眠ることとなったのである。本田君は、ベトナム 人民の崇拝篤く、彼らに姿をアレンジされて、今もイウリアの側で冬の魔女の魔法をかけ られて固まっている。因みに本田君の人間としての価値は5億円弱。(城之内君の2円とは対照的) この世界において、冬の魔女の威力は強く、アスランでさえヤギの姿に変えられて手も出す べくも無い。このアスランは、背中の穴に100円を投入するとその場で上下運動をするため、 腰の筋肉を傷めロディマッサージ器が欲しいと思っている人は、是非これで治療す

るといい。 しかしまあ後は、救世主を待つしかない。

右はサウザーの廟である。聖帝十字陵は、シュウの執着心とケンの復讐心のおかげで 崩れ去った。しかし、サウザーの腹心の友であり、ケンの兄トキは、サウザーの魂を 後世に残したいとして、この廟を立てることを決意したという。トキは、十字陵が崩れ ていく中で、サウザーの尊崇する師オウガイの亡骸と有情拳で倒れたサウザーを救い出し、 サウザーに虐げられた子供達千人の魂とともに、ここベトナムの地に合祀したのである 。何とも、奇妙な話ではないか。子供達が哀れな気もするが。中段にいるのが師 オウガイで、上段中央に控えているのがサウザー、一番下で上部を支え

聖帝十字陵の50分の1のサイズ

ているのが 今も健在のケンの像である。北斗の男が人柱になることによって、この廟は永遠に 安泰するのである。


 

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